米In-Stat/MDRが米国時間6月19日に,ホットスポット市場に関して調査した結果を発表した。それによると,公共の場所で無線LANに接続できるホットスポットは2001年の2000カ所から2006年には4万2000カ所に増加する。サービスによる売上高は,同期間に1130万ドルから6億4260万ドルへと成長するという。

 無線LAN対応ノート・パソコンの価格低下,企業における無線LAN対応ノート・パソコンの利用増加,リモートでの仕事に対する認識向上,新規OEMプロバイダの参入,ローミング環境の拡大といった要素により,ホットスポット市場は今後数年間で飛躍的に拡大する。

 しかし,In-Stat/MDR社アナリストのAmy Cravens氏は,「公共の場での広帯域接続が活気づくとともに,新たな課題が発生する」と指摘する。「プロバイダは,ホットスポットの増加という目標と実際の加入者レベルの微妙なバランスを見極める必要がある。装置メーカー,ネットワーク・プロバイダ,ローミング・プロバイダ,ホットスポットとなる場所の所有者などすべてが収入を得られるビジネス・モデルを構築しなければならない。それにマーケティングやブランディングが加われば,市場の質も量も向上する」(同氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・ホットスポットの主な利用者として考えられるのは,出張などで移動するビジネス・ユーザーである。サービス・プロバイダは空港,ホテル,駅,喫茶店など,ビジネス・ユーザーが頻繁に利用する場所で無線LAN接続サービスを提供しようとしている。

・ホットスポット・サービスの最大市場は北米で,2006年までこの状況が継続する。しかし,北米におけるホットスポットの増加率は2001年~2004年のあいだに減少する。他の地域では,同期間の導入増加率が北米を上まわる。

・2001年は,ホットスポット市場の売上高の90%が,利用した分だけ支払うpay-per-use方式によるものだった。しかし2003年初頭からは,会費制による収入が市場の成長分を担うようになる。2006年にはホットスポットを利用する個人ユーザーの約50%が,1つ以上のサービスに加入する。

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